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【体験談】出生前診断を受けてきたリアルな費用と検査の話【NITP】

俺の妻は過去に流産から胎盤ポリープを発症したりと色々あったが、嬉しいことにもう一度妊娠することができた。だからこそ、前回は順調にいかなかった分、今回は俺も妻も元気に生まれてきてほしいという気持ちが人一倍強いように思う。

元気に生まれてきてくれればとは思うのだけど、もう一つ欲張りな願いとして障害なく生まれてきてほしいとも思っている。

実はこれを調べる方法があって、それが『出生前診断』。これは染色体異常や形態異常の一部疾患を母体の中にいるときから調べることができる。俺と妻は相談をして、この出生前診断の検査を受けてきた。

今回は俺と妻が実際に検査をした、出生前診断のNIPTがどんなものなのか、受けてどうだったのかなどを記事にする。

この記事で出生前診断のリアルを知ってもらって、検査をするかどうかの決断の手助けになれば幸い。

ダウン症候群は避けたかった

正直なところ、出生前診断は『命の選別』ともいわれ、人によっては抵抗感がある人もいる。

それなのに、なぜ我が家が出生前診断を受けたのかというと、わが子が『ダウン症候群』で生まれてくることを避けたかったからなんだ。もちろん生まれてくる子供に罪はない。だけど、生まれてくる子どもには元気で健康な状態で生まれてきてほしいと思うのも、親として当然の思いだと思う。

事前に出生前診断を受けて知ることができるのであれば、俺と妻は出生前診断を受けることを決めた。

出生前診断とは

出生前診断というのは、母体の中にいる胎児の染色体異常や遺伝子疾患などがないかを調べる診断の総称なんだ。

検査の種類は色々あるんだけど、大枠としては『確定検査』と『非確定検査』の二つがある。この二つの違いは読んで字のごとく、結果が確定なのか非確定なのかの違い。とはいっても、確定検査でも完全な100%ではなくて『ほぼ』100%ということには注意したい。

今回、俺の妻が受けたのは非確定検査の『NIPT』という検査。

確定診断と非確定診断とは

NIPTの説明の前に簡単にではあるけど確定検査と非確定検査を表にまとめてみた。

非確定検査確定検査
検査名NIPTコンバインド検査母体血清マーカー検査絨毛検査羊水検査
対象疾患・13トリソミー
・18トリソミー
・21トリソミー
・13トリソミー
・18トリソミー
・21トリソミー
・18トリソミー
・21トリソミー
・神経管閉鎖障害
染色体の病気染色体の病気
検査方法血液検査超音波&血液検査血液検査絨毛採取羊水採取
ダウン症候群への感度99%80%程度80%程度ほぼ100%ほぼ100%
流産リスクなしなしなしありあり
出典(https://prenatal.cfa.go.jp/prenatal-testing/

このように出生前診断といってもいくつも種類がある。確定検査は母体のお腹に針を刺すから流産のリスクがあるんだけど非確定検査は検査による流産のリスクはないんだ。

その中でもNIPTは流産のリスクがないにも関わらず、ダウン症候群の感度が99%と高い。だから俺と妻はNIPTを選択した。

NIPTとは

俺の妻が受けたNIPTについてだけど女性から血液を採取して胎児の染色体異常がないかを調べる検査。

というのも、女性の血液には胎児のDNAの断片が混じっていて、その断片を分析をすることで3種類の染色体異常の検査ができる。

その染色体異常というのが

  • 13トリソミー(パトウ症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 21トリソミー(ダウン症候群)

の3つ。

といっても、この中で13トリソミーのパトウ症候群と18トリソミーのエドワーズ症候群は重篤な疾患で妊娠中に流産をしたり、生まれてきても長生きをすることが難しい疾患なんだ。だから基本的には21トリソミーのダウン症候群かどうかを確認する検査になるらしい。俺は医者からそう説明を受けた。

全ての産婦人科で検査ができるわけじゃない

出生前診断は全ての産婦人科で検査ができるわけではなくて、検査ができる病院は限られている。

だから自分でできる病院を調べるか、産婦人科で紹介してもらうことになる。紹介といっても「ここでできるよ」って教えてもらうだけで紹介状をもらえるわけでもない。自分で電話して予約をすることになる。

住んでいる県にもよると思うけど、調べてみると意外とできるところが少ないことがわかる。

認可施設と認可外施設について

調べてみると、病院によって認可施設と認可外施設に分かれている。

認可だからいい、認可外だからだめっていうわけではない。どちらで受けても検査の結果が変わるといったことはないし、違法でもない。

基本的には国は13、18、21トリソミーの検査だけを認めている。認可施設はその3つの検査のみを受けることができて、なおかつカウンセリングを受けることがが必須。

逆に認可外では、その3つ以外の染色体異常に加えて他の遺伝子疾患や性別まで調べることもできる。とはいえ、調べる項目数が多くなれば、その分費用も増えてしまう。因みにカウンセリングも必須ではないから、ないところもあるらしい。

認可か認可外かは自分がどこまでの検査をしたいのか、費用をどこまで払うことができるかを考えて決めるのがいい。

因みに俺と妻は色々考えた結果、認可施設での検査を実施した。

費用は10~20万程度が相場

出生前診断の検査費用は現時点では保険適用外で全額自己負担にだから費用はかなり高額。

金額は病院によって様々だけど、だいたい10万~20万くらいが相場。ただ、これはあくまでも認可施設での金額で、認可外で検査項目を追加をするともっと高くなる場合もある。

詳しい金額については事前に病院のHP等で調べると金額が書いてあるから、予約をする前に調べて比較するのがおすすめ。

因みに俺の場合は認可施設の検査で10万円だった。

病院の選び方

俺と妻は通院していた産婦人科に検査を受けたい旨を伝えたところ、通院先の産婦人科では検査ができなため、近隣で検査を受けられる産婦人科をいくつか紹介してもらって、そこから選ぶことにした。

基本的な決め手は『行きやすい』『費用が比較的安価』の2つで病院を決めた。

といっても現実的に行ける病院が近隣には3つだったから、その中で一番安かった病院へ予約をした。

出生前診断(NIPT)の検査の流れ

妻が電話で予約したんだけど、一回目の問診の時は夫も同席が必要と言われたから、一緒に病院へ行った。

俺の同席が必須な理由はカウンセリングがあるからで、病院では先生からNIPTを受けるにあたっての説明を受けた。内容は

  • 検査について
  • 各トリソミーについて
  • ダウン症候群の症状について
  • ダウン症候群の人がどのように生活を送っているのか

といった説明を受けた。

それを踏まえて本当に検査をするのか、しないのかを確認される。ここでしないという選択肢もとるのも問題ない。

俺と妻は検査をする選択をした。その後に同意書にサインをして、採血して帰宅という流れ。

出生前診断(NIPT)の検査結果

一回目の病院で採血をしてから結果が出るまでにだいたい1週間ほど時間がかかる。その1週間の間の不安といったらすごいもので、『もし陽性だったらどうしよう』っていう悪い考えが頭をよぎっていた。

正直、過去の流産経験から『心拍が止まっていないか』っていう不安もある中で余計な心配が増えたともいえる。とにかく、この結果が出るまでの1週間は無駄に長く感じた。

そして1週間後に病院に結果を聞きに行って、結果はダウン症候群の可能性はほぼ0%だとわかった。

結果を聞いてようやく安心することができた。

もし陽性判定だったら

今回、結果は陰性だったけど、もし陽性が出たら確定検査を受ける必要がある。というのも、偽陽性の可能性があるからなんだ。

もし陽性だった場合は確定検査の絨毛検査や羊水検査を受ける必要がある。いきなり中絶という選択肢はとれないようになっている。

ただ、これは認可施設の場合で、認可外施設だと確定検査を受ける必要がないらしい。必要がないというか病院によっては受ける体制がないところもある。

そして、俺たちが選んだ病院では陽性だった場合は確定検査の費用は発生しなかったんだけど、調べてみると追加で費用がかかるところもあるらしい。

費用が発生するのかはカウンセリングの時に病院で確認をしてほしい。

陰性判定でも陽性の可能性は0じゃない

こんなことを言ったら元も子もないんだけど、NIPTの検査で陰性だった場合でも陽性の可能性もあるんだ。偽陽性の反対の偽陰性というのもあって、陽性なのに陰性と判定がでてしまうことがある。

といっても、判定は99%正確と言われているから滅多にあることではないんだけど、そういった判定になる可能性も0ではない。

だから、俺たちも陰性ではあるけれど絶対に陰性だとは言い切れないんだ。検査をすり抜けてしまう場合もあるから、生まれてくるまでわからないというのが正直なところ。

出生前診断(NIPT)は一つの選択肢

俺は出生前診断の検査をしたけど、これを誰かに「検査は受けたほうがいい」とも「受けないほうがいい」とも勧めることはできない。なぜなら、どちらが正しい、正しくないというものではないからだ。

非常にセンシティブな問題だからこそ、検査を受けたいなら受ければいいし、受けたくないなら受けなくていい。こればっかりは他人がどうこう言うものでもないと思っている。どちらを選ぶのも夫婦で話し合って決めるべき。

ただ俺と妻のこの経験を通じて、今まさに出生前診断(NIPT)を受けるかどうかで悩んでいる人たちの話し合いの土台となって、納得のいく選択をするための助けになれば幸いだ。

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