俺たち夫婦は妊娠がわかった時の喜びが、3回目の検診で一転した。というのも突然、医師より「稽留流産」の宣告を受けたんだ。
順調にいくと思っていたから、まさかの宣告にただただ頭が真っ白になったのを覚えている。ただ調べてみると決して珍しいことではなく、一定数の夫婦が経験するものだった。
俺自身もショックだったけど、俺よりも妻のショックは計り知れなくて、当時はなんて声をかけたらいいのかわからなかった。今では時間も経過してお互い立ち直ることもできている状態まで落ち着いた。
今回は男目線ではあるけど、この稽留流産の体験談が誰かの役に立てばと思って記事にする。内容としては重い内容になる。同じ状況に直面した人に少しでも助けになれば嬉しい。
目次
【注意】本記事の内容について
本記事は医学的助言をする内容の記事ではない。あくまでも俺の体験談で、実際に妻の身に起きたことや感想の共有を目的としている。
医療に関する判断は、必ず担当の医師と十分に相談の上で行ってほしい。
突然の稽留流産の宣告

妻の検診は2回目と3回目の検診で約3週間の期間が空いていて、その期間に妻は異様な不安を抱えていた。だから、俺も仕事を休んで一緒に病院へ行ったんだけど、その時に「稽留流産」の宣告を受けた。
最初に先生がエコーをやったんだけど、明らかになにかおかしい表情をしていた。突然、慌てる様子で院長を呼びに行ったから、なにか悪いことが起きているとその時にわかった。呼ばれた院長がエコーを見て一言、
「残念ですが、稽留流産です」
という言葉。これを言われた時の診察室の空気の重さは異常だった。
正直、この時点では『稽留流産』という言葉の意味は理解していなかった。だけど『流産』ということは、ダメだったということだけはわかった。その時の衝撃は大きく、時間が止まったような感覚に陥っていた。
経過観察にするか手術をするか

稽留流産の処置には、2つの選択肢があった。
- 自然排出を待つ『経過観察』
- 子宮内の内容物を取り除く『手術』
一応、2つの選択肢があるんだけど、妻の場合は胎児の大きさから心拍が止まったのが2回目の検診の数日後くらいだったらしく、すでに3週間近く経過していることから、自然排出を待つのは強い痛みを伴う可能性があるとのことで、手術を勧められ手術を選択した。
稽留流産手術の流れ

手術を選択して日程を組んだんだけどかなり早いスケジュール調整だった。診察が金曜日で手術は3日後の月曜日になった。
また、妻の稽留流産手術の流れは以下の通り。
- 9時頃 手術前の準備
- 当日の朝から絶食
- 再度、エコー検査で心拍の確認
- 手術準備
- 13時頃 手術開始
- MVA法(手動真空吸引法)での施術
- 術後の経過観察
- 16時に退院予定が、体調が回復せず18時過ぎまで滞在
上記スケジュールは病院や状況によって異なると思うので参考程度にお願いします。
また、手術で麻酔を使うとその後の運転ができなくなってしまうので、家から病院間は送り迎えをするかタクシーの移動手段が必要になります。
術後の妻のサポート

術後の妻は、精神的にも肉体的にも非常に辛そうでした。俺にできたことは以下のようなサポートでした。
- できる限り一緒にいる
- 家事を全面的に担当
- 不安な気持ちを話せる環境を作る
サポートの中で特に妻への声掛けは本当に悩みました。手術前は俺自身もかなりのショックを受けており、なかなか上手く言葉が出てきませんでした。また、自分の一言で嫌なことを思い出させてしまうのではないかという不安があったからです。
なので俺の場合は、声掛けよりもそばにいる時間を増やすことを意識しました。
これが正解だったのかはわかりません。ただ、俺なりに考えた結果の妻の支え方です。
【胎盤ポリープ】術後の経過と合併症

手術は無事に終わったものの、術後の経過が芳しくありませんでした。
本来、術後は子宮内に溜まっている血が出ないといけないのですが、ほとんど出てきませんでした。そのため、子宮の収縮を促す薬も処方してもらいましたが出血はなく、副作用の腰や脚の痛みだけが続いていました。
そしてその後の検診で胎盤ポリープと診断されてしまいました。
胎盤ポリープについても、別の記事で詳しく書こうと思いますが、術後の経過が思わしくない場合は早めにセカンドオピニオンや紹介状をもらうことが重要だと実感しました。
稽留流産を経験して感じたこと

稽留流産は流産の症状がなくエコーの検査で初めてわかる流産です。
いつお互いの両親へ報告するか、名前はどうするかとかなど、浮かれている時の宣告だったので頭は真っ白で言葉はでませんでした。
成長が楽しみで、これから父親になるんだと少しずつ実感が沸いてきている中での突然の宣告で女性はもちろん男性もかなりのショックだと思います。
今回の経験で感じたのは「妻のほうが大変だから」などといって、一人で溜め込んでしまうのではなく二人で乗り越えるという意識が大事だということです。
お互いの悲しみを共有をし、二人で乗り越えることで仲も深まるのではないかと思います。
セカンドオピニオンの重要性

今回、俺たちは手術後の経過がよくなかったものの、「経過観察で大丈夫」と医師の言葉を信じていました。
しかし、別の症状が発覚し判断の遅さを後悔することになりました。
ですので、少しでも異変を感じたらセカンドオピニオンや、紹介状を早めにもらうようにする。この重要性を痛感しました。