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【体験談】胎盤ポリープの症状や手術から回復までの話【男性目線】

2025年3月9日

俺の妻は稽留流産のあとに胎盤ポリープを発症した。

胎盤ポリープは珍しい症例で、ネットでも調べると「大量出血のリスク」「子宮全摘出の可能性」など不安な情報ばかり。当時は気が気ではなかったが、現在は手術をして無事に回復している。

今回は胎盤ポリープの診断を受けてから回復した現在までの過程を体験談として男性目線にはなるけど共有する。情報も症例も少ないから、一つの体験談としてなにか参考になれば嬉しい。

前置き

本記事は、俺の体験談や実際の流れを共有するもので、専門的な医学的見解を示すものではない。

実際の診断や治療に関する判断は、必ず担当の医師と相談をするようにしてほしい。

稽留流産の術後の経過が芳しくなかった

妻は稽留流産の手術を終えてから一安心しつつも術後の経過観察として通院をしていた。そんな1回目の診察前から異変があった。

通常であれば、手術後には生理のような出血があるはずなんだけど、妻はほとんど出血がなかったんだ。

この時の俺はまだ楽観的で、手術が出血の少ない手動真空吸引法(MVA法)だからだと思っていた。

だけど、病院に行って医師から

  • 子宮内に血液が溜まって、ほとんど出ていない
  • 血流が豊富。
  • 胎盤ポリープの可能性あり

と言われた。

とりあえず溜まっている血の排出を促すために、子宮収縮剤を処方してもらった。

薬の処方をしてもらってから、2回ほど検診にも行ったけど症状は改善せず。

だけど医師から言われるのは経過観察。紹介状で総合病院に行っても同じように経過観察になるだろうと言われていた。

正直、改善しない状況に段々と不安は募っていたけど、言われるがまま経過観察を続けていた。

突然の紹介状で総合病院へ

相変わらず症状は変わらないままだったけど、3回目の診察で突然医師より

「紹介状を書くので総合病院へ行ってください」

と言われた。正直、今さら?と思ったけど、症状の改善がしないから不安を抱えながら総合病院を受診した。

総合病院では、1回目の診察でエコーと血液検査をした。

エコーでは、やっぱり胎盤ポリープの可能性があると言われ、血液検査は比較対象がないから、数日後に再度来てほしいと言われた。

そして、3日後に血液検査を行ったところ、その場で手術の日程を決めることになった。

手術になった理由は、hCGが稽留流産の手術後から減らないといけないのに、2400台から2500台まで上がっていたのと、血流が豊富だったから。

この時、医師からは「手術をしますか?」ではなくて「手術をしましょう」と言われた。

それくらい妻の状態は悪かったらしい。

 手術予定を立てた日に子宮から突然の大量出血

そして、医師と手術のリスクや手術当日の流れなどを確認をして手術前検査の日を待つだけだったけど、この日の夜中に事件が起きた。

夜、寝ていたところを突然妻に叩き起こされて

「血がめちゃくちゃ出てきた」

と言われ、真っ赤な血を見てパニックになってしまった。

そこからの俺の行動は最悪で

「もし大量出血をしたら救急車を呼んで」

と言われていたのにも関わらず、自分の運転で病院に連れていってしまった。寝起きで頭が回っていなかったのとパニックで冷静な判断ができていなかった。

これに関しては、なにもなかったからよかったけど道中で事故でもしていたらと思うとぞっとする。

大量出血により緊急入院

病院に着いてからは、診療時間外ということもあり、子宮にガーゼを詰めて止血だけしてもらって、診察時間まで病院で待つことになった。

そして診察時間になって医師に言われたのが

「今日から入院してください」

だった。妻は病院から出ることができなかったから、代わりに入院に必要な荷物を取りに行った。

あとは、緊急入院になったから手術の日程が早まるかと思ったけど、早まることはなかった。

俺としては、また出血するんじゃないかって不安があったけど、幸いにも早朝の大量出血以降に酷い出血はなかった。もし、また大量出血をしていたら子宮の全摘出もあったらしい。怖すぎ。

子宮動脈塞栓術

無事に手術の初日を迎えることができた。初日にカテーテルで『子宮動脈塞栓術』、翌日に『子宮鏡下手術』でのポリープ除去だった。

まず、初日のカテーテルは局所麻酔だったらしく、意識のある中での手術だった。腕から子宮の動脈まで通していくことになった。妻曰く、麻酔の効きが悪かったのか腕の感覚が若干残っていて通っていく感覚はあったらしい。

とはいえ、それ以外は何事もなく手術を無事に終えることができた。

通常は塞栓の影響で生理痛のような痛みがでるみたいだけど、妻はその痛みよりもカテーテルを通した腕の痛みが強かったらしい。その痛みは1週間ほど続いていたけど、日常生活ができなくなるほどではなかった。

子宮鏡下手術

そして、翌日にメインの手術の子宮鏡下手術をおこなった。

まず午前中に子宮頸管を広げる処置をするんだけど、これがとんでもなく痛いらしい。手術前に妻のお見舞いに行ったけど、痛すぎて歩けないから車椅子を使って移動をしていた。

そして、夕方から子宮鏡下手術がおこなわれた。手術時間は1時間程度だった。この手術では麻酔を腰椎麻酔と静脈麻酔を使用した。

麻酔で意識はなく、意識が戻った時にはすでに手術が終わっていたとのこと。

手術後の経過と体調の変化

妻の体調は、退院直後は手術の影響で免疫力が低下していて風邪みたいな症状もあったり、数日は出血だったり腰痛や貧血の症状があったみたい。

だけど、1週間くらいでほとんど出血もなくなり、腰痛や貧血の症状もなくなり少しずつ回復していた。

術後の診察で医師からも

「順調に回復しています」

と言われていたり、hCGの数値も順調に下がっていたから、やっと安心することができた。

その後の妊娠・出産への影響は?

胎盤ポリープの手術を受けた後、次の妊娠や出産に影響があるのか不安に思う方も多いと思う。俺たちも不安で、医師に確認したら

「絶対に大丈夫とは言えないが問題なく妊娠・出産をされた方はいる。」

と言われた。

とはいえ、回復して動脈塞栓で動脈を一時的に止めているため子宮に負担がかかっているので、回復期間は必要とのこと。

次の妊活は術後の診察で医師と相談をしつつ、女性の体調の回復もみながら時期を決めることが大切。

追記】無事に妊娠することができた

これは俺の妻の話にはなってしまうけど、奇跡的に妊娠することができた。

今は順調に成長していて2026年1月末に出産予定。

手術をしてくれた総合病院の先生たち、辛い時を乗り越えてくれた妻には感謝しかない。

【約8万円】入院でかかった費用

今回の入院でかかった費用は、約8万弱だった。内容は以下の通り。

  • 入院費 6日間(個室利用あり)
  • 手術 子宮動脈塞栓術
  • 手術 子宮鏡下手術

急遽入院をしていて日数が増えているんだけど、予定通りだったら入院は3日間だった。

また、高額医療費制度の対象だから、病院で支払う費用を抑えることができた。

夫婦のコミュニケーションが支えになる

今回の経験を通じて、夫婦のコミュニケーションの大切さを改めて実感した。

もし、胎盤ポリープの疑いがある方や手術を受ける方がいたら、女性は決して一人で抱え込まないでほしいし、男性は抱え込ませないでほしい。

俺自身も完璧にできたとは思っていない。特に稽留流産から胎盤ポリープの診断を受けたときなんか、俺が想像しているよりもかなり不安だったはず。

そんな時に支えになれるのは夫しかいない。女性にだけ背負わせず、夫として支えてあげることが大切。

夫が寄り添って妻をサポートすることで、心の負担は大きく軽減されると思う。

俺たちの体験談が少しでも前向きに治療に向き合うための役に立てば幸いだ。

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